俳句には季語を入れるというルールがある。季語とは「句の季節を表すために詠み込む語句」※1のこと。そして、どの言葉を季語とするかを正式に認定する機関は存在しない。つまり、季語とは、多くの人が季語として認識するから、季語となる。
例えば俳人・夏井いつき氏は「何かしらの協会が認定するようなものではなく、長い歴史の中で自然と定着していくもの」※2「たくさんの人が、あっこれは季語ですねって、認識して、使うようになって」※3と話し、俳人・片山由美子氏も「季語は個人のものではない」「俳句を作るにも、読むにも、季語を共有することが必要である」※4と指摘している。
そのため、多くの人が季語だと認識し、使用するほど浸透させることができれば、新たに季語を作ることも可能だと言える。実際、例えば万緑という季語は、中村草田男氏が作った。
先述のように、季語の認定機関は存在しないため、何をもって、浸透したと判断するかは難しいが、俳句の世界には歳時記(季語を季節ごとに分類して整理し、解説を加えて例句を示した書物)※5と呼ばれる書物があり、必須条件ではないものの、少なくともこれに掲載されれば十分に浸透したと言える。ちなみに、万緑も後に歳時記に掲載された。
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