簪(かんざし)や櫛(くし)、眼鏡のフレームなどの材料として使われる鼈甲(べっこう)とは、タイマイというウミガメの一種(カメ目ウミガメ科)の甲(背側や腹側を覆う硬い部分)のこと。熱を加えると変形しやすく、加工がしやすい。
タイマイは甲羅(背中側の甲)の長さが約80から90cm、体重は平均60kg。太平洋や大西洋、インド洋の熱帯域に広く分布するが、主に鼈甲の利用のための乱獲により絶滅の危機に瀕し、ワシントン条約や種の保存法などにより保護されている。そのため、貴重な高級品。
甲の背中側(甲羅)は黄色と暗褐色のモザイク模様になっているなど、部位により色が異なる。そのため、使う部位により白甲(しろこう=白色)や黒甲(くろこう=黒色)、茨布甲(ばらふこう=斑点入り)などと呼ばれ、色や模様、価格も異なる。
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